メソポタミアの食卓と中世欧州の食卓

最近読んだ「料理の歴史の本」

昨今、筆者は昔のレシピがたくさん出ている本を読む機会がありました。

中華料理の食卓

中華料理の食卓

楔形文字で筆記されていたメソポタミア時代、ローマ帝国が勢力を誇っていた時代、中世欧州でカンタベリー物語が書かれていた時代の食卓のレシピを興味深く読みました。

あまり美味しくなさそうな「中世の食卓」

普通、技術水準などは時代が下るにつれて発達していくものなのですが、レシピで見てみると、メソポタミアで文明が繁栄していた頃の料理より、中世欧州の料理の方が、「美味しくなさそう」なものが多いのです。下手をすると、栄養失調でなにかおかしな事になるのでは、と心配になるような食卓の画像もありました。楔形文字の文明の時代は、キリスト教をはじめとする「セムの宗教」のように、食事に対する戒律があまり無かった、という事もあるのだろうか、と考えております。「セムの宗教」の系統の宗教には、イスラム教、ユダヤ教などもありますが、どれもある程度食事に対する戒律が厳しい宗教です。

極端な話、食べると地獄に落ちる食べ物がある、と信じている信徒の方々もおられたりします。

もちろん、メソポタミア文明の宗教にも、女性の神官は酒を飲んではいけない、などの禁忌はあったようですが、おおむね後にできるキリスト教やイスラム教より厳しい制限がなかった為、いろいろな料理が発達したのでしょうか。

「制限」と「自由」の間

とはいえ、ユダヤ教の信徒が発明したいろいろと美味しい料理も、今、世界中で人気になっております。アーティチョークの料理や、ベーグルが代表例ですが、ニューヨークチーズケーキも、東欧から移民でアメリカにやってきた方々がレシピの基本を作ったともいわれております。ユダヤ教では甘いものにはあまり制限がかかっていないので、発明されたのかもしれません。

創意工夫というのは、制限が適度にかかっているところと、自由度があるところの双方で発揮されるということなのだろうか、と本を読み終えてから考えました。

ベーグルについて

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/051000228

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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