昔は甲殻類ではなく、鳥類のスープだった「ビスク」
皆様は、「ビスク」というフランス料理に、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
今は、甲殻類の美味しさが凝縮された赤いスープが「ビスク」のイメージの定番となっております。
フランス料理の「ビスク」の画像
しかし、一番古いビスクは、鶏や鳩を使った白く仕上げる煮込み料理のようなもので、当時は貴重だった柑橘類で酸味が加えられた貴族御用達の料理だったようです。
ビスクが赤くなった経緯
それが何故赤くて甲殻類で作る今の「ビスク」になったかというと、キリスト教徒には肉や乳製品を食べてはいけない期間があり、その間は甲殻類や魚類を食べることは許されていた為、普段のビスクの「代用品」として、エビやカニやザリガニ(欧州では高級食材ということになっております。)の「赤いビスク」が貴族の食卓に上っていたようなのですが、それが、欧州各地で起こった革命によって、王族や貴族階級といったものが
少なくなってしまい、比較的手軽に入手できる食材で作れる「甲殻類の赤いビスク」だけが、現在に伝わっている、ということのようです。
今後の展開への期待
とはいえ、ビスクは手間がかかる料理なので、日本の家庭料理としては普及せず、もっぱらフランス料理店のスペシャリテとして供されることが多いようです。
近頃、甲殻類が高価になり、筆者も昨今あまり食していないので、陸上養殖でもしてビスクも甲殻類も気軽に食べられる状況になってくれないものか、と切に願っております。
ビスクについて