「持参金」から英国の国民飲料になった紅茶

筆者から巷の喫茶店様へのご意見

皆さまは、紅茶はお好みでしょうか。

筆者は、コーヒーの香りは複雑で強すぎて拒絶反応がでるタイプなので、洋食系の料理の食事の時には、専ら紅茶を愛飲しております。

日本産の紅茶も、最初はあまりインパクトのない味のお品が多くてどうかな、と思っていたのですが、昨今はなかなか良質なお品も出来てきているようです。

ティーカップに入った紅茶の画像

紅茶の画像

しかし、最近は紅茶カップと珈琲カップの兼用のものが出てくる喫茶店が多くて、あまりいい気分がしません。明らかに、紅茶を入れて美味しいカップと、コーヒーを美味しく飲めるカップは構造が違うからです。

人件費や経費の関係もわからないではありませんが、何とかしてほしいものです。

紅茶が英国の「国民飲料」になった経緯

さて、ここからが本題です。

日本人が紅茶を飲むようになったのは、欧米から入ってきた喫茶の習慣がもとになっております。

そして、その大元は英国のアフタヌーンティーの習慣なのでしょうが、なぜ紅茶が寒い北の国である英国で、インドなどの南国の産物なのに、国民飲料として飲まれるようになったのか、というと、大昔、英国の王族様とポルトガルの王女様が結婚したのがきっかけ、という事になります。

このポルトガルの王女様は、結婚する時の「持参金」として、紅茶の一大産地であったインドの「ボンベイ」を持ってこられたのだそうです。

そして、英国の宮廷では紅茶を飲む習慣が広がりました。

それまで、英国では飲み物といえばお酒かハーブティーか水だったのですが、大体の人は何か飲みたくなるとお酒を飲んでいたため、アルコール中毒やアルコール依存症による家庭崩壊などの悲劇も多かったようです。

しかし、ハーブティーでは物足りない、と思っている英国人も多かったところに、インパクトがあるカフェインが入った、貴族が飲んでいる「憧れの飲み物」紅茶が登場した、というわけです。英国の水質も、紅茶に合っていたという事情も助けになり、お酒の代わりの飲み物として普及しました。

最初のうちは、カフェイン耐性が少ない体質の人も多く、また、淹れ方を知らずに1時間煮だした紅茶を飲んで胃を壊す人もおられた為、バター付きパンを食しながらミルクを入れて飲むように、と勧められました。

今でも、英国の田舎に行くと、「ティー・ケーキ」と銘打ったブドウ入りの丸パンにバターを塗ったものが出てくるという話です。

そして今、このお嫁入りがきっかけとなって、日本中のある程度のグレードのホテルで気の利いたアフタヌーンティーが楽しめるというありがたい事態になっております。

この歴史の巡り合わせは大変にありがたいと思います。

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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