むかし、「かまぼこ」と呼ばれていたちくわ
皆様は、「ちくわ」はお好きでしょうか。
このところの物価高騰の強い味方ですね。
ちくわの画像
「ちくわ」はかまぼこの一種なのですが、名前の由来をご存じでしょうか。
それには、「かまぼこ」の由来から話を始めないといけません。
もともと、「かまぼこ」は竹に魚肉のすり身をつけて焼いたもの全般をさす言葉でした。ガマという植物の穂に外見が似ているから、という説が現在有力です。竹を鉾に見立て、そこにガマの穂のような魚肉のすり身がついていることからそう呼ばれるようになった、とのことです。
ガマの穂の画像
高級品だったすり身料理と武士のやっかみ
江戸時代になると、板に魚肉を盛り付けて蒸す今の板かまぼこもできました。
最初のうちは、どちらも「かまぼこ」と呼ばれておりましたが、
江戸時代には、魚肉のすり身の料理は高級品で、下級武士にはなかなか食べられないものでした。
しかし、商業中心の社会で財産を作った商人たちは日常的に食していたため、下級武士から「武士の魂である鉾(武器)を食べるとは何事だ」と、嫌味を言われることもあった模様です。そこで、切った形から「ちくわ」という隠語を使って呼ぶようになり、明治維新から現代を経て、「ちくわ」が正式名称としていつの間にか定着し、「板付きかまぼこ」の類だけがかまぼこと呼ばれるようになりました。
この記事を書きながら、そういえば、小さい頃は結婚式の引き出物のタイなどの細工かまぼこがとてもかわいらしく見えた事を思い出しました。細工蒲鉾は、細工しやすい分、あまり美味しくないものが多かったのですが、その点もいずれ改良されれば、もっと面白い展開が待っているのではないかと思います。
ちくわの名前の由来