昔は逆だったアイスクリームとウナギの立ち位置
皆様は、お寿司やウナギは専門店で食する高級な食べもの、
逆に、アイスクリームはコンビニエンスストアで購入できる気楽な食べもの、と考えておられるでしょう。
アイスクリームの画像
しかし、昔は事情がまったく違いました。
江戸時代には、お寿司やウナギは、今のファストフード店で食べるような気軽な食べ物、と考えられていました。
街中の屋台で作られ、その場で食べるものだったようです。
そして、アイスクリームは、冷凍技術が普及する時代までは、王侯貴族しか食べられない高級食品だったのです。
冷凍技術が発達するまでは、塩を入れた氷をたくさん入れた桶の中でかき混ぜて作るものだったため、氷を常時保存しておける特権階級だけの食べ物だったのです。
とはいえ、今の「江戸前」と呼ばれるお寿司は、それこそ江戸市民か、参勤交代で江戸にいらした大名のおつきの方々だけが食べられる、名物ファストフード、という位置づけだったようです。
ウナギや江戸前寿司のステイタスが上がった理由
それが、何故今の地位逆転という状況になったかというと、ウナギは生息数が少なくなったこと、
また、「江戸前」のお寿司が全国に広まる以前は、各地で「お寿司」といえば、ちらし寿司、なれずし、押しずしだったのですが、先の関東大震災にて、東京で技術を持っていた人が各地に散らばって江戸前の握りずしを広めた事が始まりで、東京のローカルフードから、全国の高級料理への格上げとなっていったそうです。
また、物流が盛んになっていった頃から、魚代が高くなり、高級化路線も進んでいったといいます。
牛タンも戦後からずいぶん高級化が進んだ感が筆者にはありますし、これからどんな食べものが高級化していくのでしょうか。もしかすると、イカやタコの刺身が高級食材になる日がそこまで来ているのかもしれません。ウナギは、完全養殖ができるようになれば、またファストフードに戻るのでしょうか。
将来がどうなるのか、まったく見当もつきません。
お寿司の歴史