江戸時代はたんぱく質不足だった?
皆様は、牛肉、豚肉や乳製品をまったく食べない生活、というものを想像したことがおありでしょうか。
ローストチキンの画像
実は、「江戸時代」は、そういう食生活の時代でした。
たんぱく源は主に魚で、鶏肉や卵はわりにぜいたく品、バターもチーズもパンもない、という状況です。
欧米の方々が不思議がっていた体力
そういった食生活でも、飛脚の方々は数十キロ単位の距離を疾走し、力士は欧州人の基準越えの力をもっていたため、この時代やその前の戦国時代や安土桃山時代に日本を訪れた欧米の方々は、かなり不思議がっておられました。
そういった方々の中には、日本人にもっとたんぱく源を食してもらえば、もっと力が出るのでは、と考えて西洋の食事をしてもらう、という実験をした酔狂な方がおられたそうですが、かえってパフォーマンスが落ちる、という結果に終わったそうです。
この結果は、当時の日本人にとって西洋食がストレスになった事に加えて、たんぱく質の分量が日本人の体には多すぎたせいもあったのではないか、と筆者は推測しております。
ちなみに、江戸時代の人は60代程度まで生きれば長生き、ということになっていたようです。
現在の日本人は80代から90代で長生きという事になっているので、やはり、医療技術の進歩があるうえに、栄養状態がよくなってはいるようです。
日本人に適当な量のたんぱく質を多くの人が摂取できる時代
おそらく、戦後すぐの時点程度の食卓の「洋食化」で、たんぱく源とカロリーが日本人の体質にはちょうどよくなり、また、西洋食にストレスを感じる人も減ったので、この時代に若いころを過ごした人が長生きしているものと筆者は推測します。
やっと日本人は、体質にちょうどいいタンパク質とカロリーを摂取できる状況になった、と言えるのでしょうか。
現在の若い世代の方々の食生活への懸念
しかし、その一方で筆者は今の若い人たちの食生活を心配しております。
ダイエットが流行している為か、若い人たちは戦後すぐの時代より摂取カロリーが少ないという報告も聞きますし、「流行」でベジタリアンやビーガンの食事をしている人もいるので、タンパク質とカロリーが足りておらず、
将来それが原因で大きな病気や体のトラブルを起こすのではないかと他人事ながら気になってしまいます。
とはいえ、自分の状況は自分で決めなければいけないので、現在10代や20代の方々には、正確な情報を入手して、自分にとって良い食事をしていただきたいと願うばかりです。
江戸時代の寿命について
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200611/se1/00m/020/010000d