平安時代からあった「かき氷」
このところ気温が上がり、暖かいというより暑くなってまいりました。
今回は涼しい気分になれるように、「かき氷」のお話をしたいと思います。
かき氷の画像
「かき氷」の記述は、枕草子にも出てくる「削り氷」（けずりひ）というものが文献に見える最初のもの、といわれております。しかし、当時「夏の氷」は大変な高級品で、皇族の方々か藤原氏の関係者などしか食べられないものでした。当時は、冬の間に「氷室」というものを作り、夏まで溶かさずにとっておいた氷が供されていたので、大変流通量が少なかったのです。
江戸時代にも、皆様の中には時代劇でご覧になった方もおられるかもしれませんが、氷室の氷を将軍様に献上する制度もあったそうです。
庶民化していったかき氷の歴史
この状況が変わったのは、江戸時代末期になってからでした。
大きな船で北国の氷を大量に消費地に運べるようになり、「氷水」というものが売られていたそうです。
明治時代になると、天然氷の製造、販売が事業化され、日本初の「かき氷」が、中川嘉兵衛という人によって販売されました。
当時はお腹に悪いという噂があったそうですが、そのうちに人気商品になり、数時間並ばないと購入できない状況になったり、出前のかき氷もあったそうです。
そして、冷蔵庫が普及し、かき氷器も下手をすると100円ショップで入手できるようになって、庶民の夏の風物詩となって現在に至ります。
多様化するお店のかき氷
普通の氷のかき氷が一般化したので、現在のお店で供されるかき氷は、差別化を図っていろいろと多様化しております。
昔ながらの氷室で作られた天然氷が使われているお店、牛乳やフルーツを凍らせたかき氷のお店、海外発祥のかき氷のお店等です。これから、日本のかき氷はどのように多様化して発展するのか、筆者は将来を楽しみにしております。
かき氷の歴史
