英国で「ティーケーキ」が2つある理由

英国では2つの意味がある「ティーケーキ」という単語

先日「ティーケーキ」についてのブログ記事を書いた折に、なぜティーケーキが2つあるのか、と知人に聞かれましたので、

筆者も調べてみることにいたしました。

籠に入ったレーズン入り丸いパンの画像

レーズンパンの画像

最初にできたのは「バターつきパン」の「ティーケーキ」

英国にて最初に生まれた「ティーケーキ」と呼ばれるものは、丸いレーズンパンをトーストしてバターを塗ったもののようです。

英国に紅茶が入ってきた当初、紅茶は「東洋伝来の薬」と思われておりました。

薬効を求めるあまり、お茶を長時間煮出して飲む人などもおられ、胃痛になる人も少なくなかったようです。

そこで、胃を守るために「ミルクティーにしてバターつきパンと一緒に飲食するように」というキャンペーンが行われ、この流れから、優雅なアフタヌーンティーへと紅茶文化が発展していくようになった模様です。

紅茶が貴重品だった頃は、お茶の容器、ティーキャディーには鍵がかけられ、その鍵は一家の女主人が管理していたと聞いております。

「もったいない思想」から生まれたもう一つの「ティーケーキ」

しかし、紅茶が一般化してくると、大きなティーポットできっちり淹れた紅茶が飲み切れず、余って冷めたものが出る、という事態も起こるようになってきたでしょう。

そうして、大きな屋敷の女主人の主催するティーパーティーで出た余った紅茶を、使用人がもったいないと考え、当時一番安く手に入るドライフルーツであるレーズンを浸して柔らかくし、それを使ってまかない食の後のケーキを作ったのが、紅茶を使って作る「ティーケーキ」の始まりではないか、と、筆者は推測しております。

紅茶を使って作る「ティーケーキ」と言っても、レシピは複数あり、バターを練ってつくるもの、バターをレーズンと一緒に溶かして煮るボイルドケーキタイプ、ショートクラストペストリーのように、バターを切り込んで作るものなどがございます。私がレシピを作ろうともくろんでいるのは、ボイルドケーキタイプのものです。冷やす時間は取られますが、これが一番ハードルが低く、家庭では作りやすいようです。アイルランドの「ティーブラック」に近いレシピになるのでしょうか。

レシピが出来たらまたこちらに掲載いたしますので、楽しみにお待ちください。

「ティーケーキ」について

https://www.japanjournals.com/culture/ruriko2/9121-ruriko2115.html

「ティーケーキ」のレシピ

https://www.nittoh-tea.com/enjoy/recipe/tearecipe85.html

https://smileinuk.exblog.jp/10857296

「ティーブラック」のレシピ

https://www.kyounoryouri.jp/recipe/43160_%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF.html

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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