昔は無発酵で食べられていたパン
皆様は、パンはお好きですか。
筆者は、朝食はパンを食するのが習慣になっております。

パンの画像
パンといえばイースト発酵がつきもの、というのは現在の常識になっておりますが、大昔は、粉を練って焼いたパンしか無い、という時代も長くありました。
古代メソポタミア文明では、単に粉を練って焼いただけのパンが食されていたようです。
偶然の産物だった発酵パン
発酵したパンが食されるようになったのは、紀元前5000年頃からと言われております。
古代エジプトや、世界の他の地域で、偶然に長時間放って置いたパン生地がふくらみ、それを焼いてみたらふわふわして美味だった事から、発酵パンが主流になっていったようです。
古代エジプトや、世界の他の地域で、偶然に長時間放って置いたパン生地がふくらみ、それを焼いてみたらふわふわして美味だった事から、発酵パンが主流になっていったようです。
長く謎だった「パンが膨らむ理由」
しかし、「パンがなぜ膨らむのか」ということはかなり長い間謎のままで、パン種を焼かずに一部残しておいて、次のパンを焼く、という事が行われておりました。
17世紀に、レーウェンフックという人が顕微鏡を発明し、それによって、「酵母菌」の存在が明らかになり、パンの発酵の仕組みが解明されていく事になります。
19世紀になってやっと、パン酵母が小麦生地の中の糖をアルコールと二酸化炭素に分解し、パンを焼くと膨らむという原理が解明されたのです。これは、パスツール氏の発見でした。
意外に新しいドライイーストの普及
20世紀になってから、ドライイーストがアメリカで発明され、最近では、粉の中に混ぜて予備発酵なしで使えるインスタントイーストも発明されております。
筆者もパンを作るときに、便利なインスタントイーストを使っておりますが、そのうち、技量が上がったらもっとおいしく作れるという生イーストも使ってみたいと思っております。
このドライイーストが発明されて、一般化するまでは、パン種というのはとても大事なもので、明治時代のパン屋さんは、どこに行くにもパン種を盗まれないように持ち歩いた、という話が伝わっております。
先人の知恵に感謝し、誰でも簡単にパンを作れることと、パンが大量生産できるようになった事には感謝しつつも、某メーカーのパンは今ひとつの味だな、と不遜なことを思っている筆者なのでした。
イーストの歴史