日本縦断 旅立ちの準備編
私は脳の病気の後遺症で左上下片麻痺だ。
歩行は杖を使えば問題なく歩けるのだから、家族の心配をよそに本人はいたって自由人。私は病気を発症してから5年経った頃、自分の可能性を確かめたくなり、日本縦断電車で一人旅に出た。
日頃、私は家族から『何も出来ない人』と呼ばれて「出来るのになぁ。」と悔しい思いをしてきたから、一大決心をした。
私は{長崎の知り合いの家から宮城までの旅路を電車を使って旅をしよう!}と計画を立てたが家族は「そんなこと出来っこない。無謀だ!」と言って猛反対した。
長崎県から宮城県まで、約1650㎞の距離がある。
まぁ、自分でも「無理かなぁ?大丈夫かなぁ?」とは思っていたから、家族の反応は予想をしていた。
それよりも挑戦したい気持ちが強かったので私の決心は堅かった。
3年前には東京に新幹線で出かけるのさえ反対した家族だったから、今回も反対されるのではないかとハラハラした。
しかし、今回は前回の東京行きから5年経っており、今回はしっかり下調べをしていたことで、家族の了解をしてもらえた。
私は家族を納得させるために旅の日程と毎日、メールで居場所がわかるように写真を家族に送り、自分が今どこにいて何をしているのか何を食べているのか報告をすることを約束した。
第2話に続く