昔は大きくて黒くて丸かった「フランスパン」
皆様は、「フランスパン」といえば、どんなものを思い浮かべられるでしょうか。

バゲットの画像
画像にあるような、バゲットや、クロワッサンなどがフランスパンの代表といった感じがありますが、
昔は様子が違っておりました。
昔は、両手でないと持てないような、大きな円形のパンがフランスパンの主流でした。大きな球形、フランス語で「ブール」を作る仕事なので、今でもフランス語ではパン屋様のことを「球を作る人」ブーランジェリーと呼んでおります。
もちろん、昔は白い粉を得る為の篩(ふるい)も発達していなかったので、白い精白粉で作ったパンを食せるのは、お金持ち、都市部の貴族だけでした。農村部の人たちは、大きくて丸くて黒くて固いパンを食していたのです。
配慮したはずが最悪の結果になった発言
「パンがなければケーキを食べればいいのに」というお金持ちの貴族の発言が民衆の怒りを買ったことは有名な話ですが、この発言はマリー・アントワネットの発言ではなく、原語に忠実に翻訳すると「パンがなければブリオッシュを食べればいいのに」という事になります。当時、主食としての「パン」は、一等小麦粉を使って作る事が法律で決まっており、ごまかしをすると厳罰に処されました。その一方で、「ブリオッシュ」はどんな粉を使ってもいい事になっていたので、比較的気軽に作れると、発言者は勘違いした模様です。本人としては配慮からの発言だったのかもしれませんが、結果は最悪のものになりました。
早く焼かなければいけないのでできた「バゲット」
「大きくて黒くて固いパン」は、窯で焼き上げるのに時間がかかるものでした。
そこで、パン職人様は早朝から起きて、長い時間窯の前で作業しなければなりませんでした。
ところが、労基法が厳しくなり、また、工業化と都市化が進み、「早く焼ける」パンが必要とされるようになり、また、「白い小麦粉」も輸入されて豊富にある状態になりました。
そこで、「早く焼き上げる事が出来て、持ち運びも楽で、白い粉のパン」であるバゲットやバタールなどが登場したとされております。
今でもフランスではパンに関する厳しい法律があり、処罰も厳しいものです。
日本でフランスパンの代表といえば、バゲットやクロワッサンですが、よく出来た田舎風の丸い黒パンをポトフなどに入れていただくのも美味しくて風情があるものです。機会があったら、ぜひ、お試しください。
フランスパンの歴史
https://paris-rama.com/paris_history_culture/038.htm
