温厚な国産地鶏と凶暴な白色レグホン
皆様は、「鶏」について知識をお持ちでしょうか。
筆者が知っているところによると、
肉用・卵用として日本で広く飼われている「白色レグホン」という品種は、名古屋コーチンや比内鶏といった「地鶏」に比べるとかなり気が荒い傾向があります。

養鶏場の画像
何故このような気性の差があるのかと、長年不思議に思っておりました。
白色レグホンはイタリア由来の鶏
インターネットでこの質問を入れて検索してみますと、「白色レグホン」は、イタリア原産の鶏、という事がわかりました。
以前、イタリアの農家に行った事がある人の話を読んだ事があり、その文献にも、イタリアの鳥は元気がよすぎる、と書いてありました。
白色レグホンが凶暴な歴史的背景
さらに調べてみると、イタリアと日本では、昔は鶏の飼われている意味が違っていた事がわかってきました。
日本では、「にわとり」という名前が示すとおり、昔は食肉、採卵用ではなく、神社の庭などで「朝を告げる鳥」として大事に飼われていた模様です。
実際、「古事記」にもそのような描写が出て参りますし、また、天平時代あたりの文献には、「鶏の卵を食べると地獄に落ちる」というような事も書いてありました。
鶏が食肉、採卵用の家畜になったのは、安土桃山時代から江戸時代にかけての事なので、比較的温厚な個体も生き残っているし、また、観賞用の鶏を飼う人も現在でもいる状況なので、温厚な鶏の方が都合がいいという事情もあるようです。
しかし、イタリアにおいては、鶏は最初から肉と卵を取るための「家禽」で、夜以外は森の中で放し飼いして勝手に餌を食べてもらって太らせる飼い方をしていた、という事がわかりました。その状況では、捕食者に襲われる危険が日本の鶏より格段に高かったので、ある程度気の荒い、戦闘力のある鶏が自然に生き残っている状態になり、今にいたるものと推測されます。
ちなみに、ギネスブックに掲載されている「世界一狂暴な鶏」も、白色レグホンになります。
しかし、養鶏場内のけんかでけがをする鶏もいるという話なので、卵用の種類は気性を温厚にする方向の品種改良もしたほうがいいのでは、と筆者は思います。
イタリアの鶏について