いくつ羊を数えるよりも、あなたの言葉を確かめて
[回想]黒田家・紡の部屋(夜)
哲「もういいかい?」
紡「まだだよ」
哲「もういいかい?」
紡「もういいよ」
哲「ん~どこかな~お風呂場かな~」
紡、カーテンの裏に隠れている。
哲「もしかして、机の下かな~」
紡、声に出さずに笑っている。
哲「どこかな~出ておいで~」
紡「じゃーん」
哲「わぁ、びっくりした」
紡「見つけられなかったの?」
哲「ぜっんぜん分かんなかった」
紡「ほんと~?」
哲「ほんと!」
紡「そっか~」
哲「すごいね!」
紡「ま、まあね!」
哲「じゃあ、次はつむが探す番だ」
紡「そしたら、哲が隠れて!」
哲「うん。じゃあ目を閉じて10秒数えて」
紡「分かった!いーち、にーい、さーん、しーい」
哲「ヨシ」
紡「ごーお、ろーく、しーち、はーち、きゅーう、じゅーう」
哲「もういいよ(遠くから)」
紡「どこ~?」
哲「遠い~」
紡「ね~どこ~?」
哲「まだ遠い~」
紡「どこなの~?」
哲「水の近く!」
紡「お風呂~?」
哲「少し近い」
紡「洗面所?」
哲「どうだろ~」
紡「声近くで聞こえた!」
哲「どこでしょう?」
紡「あ!!!み~つけた!」
哲「ばれちゃったか~」
紡「1回通ったんだけどな」
哲「分かんなかった?」
紡「どうやって隠れたの?」
哲「洗濯機の中にいて、出てきた」
紡「すごい!!私には考えられない!」
哲「えへへ」
紡「次、何やる?」
哲「もう次?」
紡「うん。楽しくて」
哲「分かった。じゃあちょっと麦茶飲んで休憩しよ」
紡「いいよ。やりたいこと紙に書きだしとく」
哲「分かった。麦茶早く!」
紡「冷蔵庫に入ってる!」
哲「行こ!」
紡「行こ~」
紡のアパート・中(日替わり)
紡「なんか消火器が外れててさ~」
哲「え、どうしたの?」
紡「誰か使ったのかな」
哲「うーん、使った?」
紡「使ってない」
哲「誰か男いるとか~?」
紡「もう切った」
哲「熊井はどうなんだよ」
紡「俺の嫁って言ってるだけ」
哲「(小声で)元気出せよ、俺」
紡「髪結ぼうかな」
哲、うなだれている。
紡「結んで!」
哲「いいけど、俺下手だよ」
紡「いいよ」
哲「じゃ、鏡持ってきて」
紡「分かった」
紡、鏡を拭いて持ってくる。
紡「おまたせ」
哲「おそいよ」
紡「(鏡を渡しながら)はい」
哲「置くとこない?」
紡「部屋?」
哲「いやでも悪いし」
紡「あぁ、うん」
哲「持ってて」
紡に鏡を持たせて、哲が髪をとかし始める。
紡「どう?」
哲「何にも見えないんですけど」
紡「こう?」
哲「さっきよりは見える」
紡「写真撮って」
哲「こんな感じ、なんも見えない」
紡「じゃなくて。出来上がりを撮って欲しかったの」
哲「え、むり」
紡「なんで撮ったの!?」
哲「欲しいのかなって」
紡「いらない」
哲「後で送っとく」
紡「いらない」
哲「おこんなよ」
[回想]山形学園高校・3年4組教室・中
紡「今日暇?」
哲「え、そうでもないかな」
紡「忙しい?」
哲「勉強しなよ」
紡「うん」
朝日「なんかあった?」
紡「大変なの」
朝日「話聞こうか?今忙しいからあとで、午後」
紡「ありがとう、あけとく」
朝日「じゃ~ね~」
哲「なにやってんの」
紡「その水色のパーカーいいね」
哲「この前の謝って」
紡「びんぼくさいとかいってごめん」
哲「これいいやつなんだから」
紡「電話するとき、いつもそれ着てるよね」
哲「パーカー好きで」
紡「私も好き」
哲「似合うよ」
紡「そっちも(笑いながら)」
哲「糸切ろうかな」
紡「切った方がいい(笑いながら)」
朝日「帰れ~」
紡のアパート・中
小村から連絡
小村「結婚しように代わる言葉ってありますか」
紡「愛してるとか?」
哲からメッセージ【愛してる】
小村「一緒に住もうとかですか?」
紡「重くないですか?」
小村「愛してるの方が重くない?」
紡「一緒にすもうの方が重いと思います」
哲からメッセージ【見えてるぞ】
ゾマ=リフィ「魔界帰ろ~?」
グザノヴァ「ん~」
ゾマ=リフィ「じゃ、行くか」
グザノヴァ「おう」
魔界・入口
サタン、酒を飲んでいる。
サタン「やってらんねえ!!!な、ケケケケ」
チュール「そうですね」
ゾマ=リフィ「仲良くなってる」
グザノヴァ「また成長している、あれは人を馬鹿にする心」
ゾマ=リフィ「あれと仲良くなってどうするんだろう」
グザノヴァ「ほんとにアホ、帰るよ魔界に」
サタン「知らないよ、今後の仕事なんて」
チュール、うすら笑いを浮かべている。
