カルシウムを含んだ食品の謎

私は、常々不思議に思っている事がありました。

加熱した「貝」の味

アサリやシジミのみそ汁は、貝殻から出た滋味とうまみが、

みそ汁の味をさらに引き立ててくれているように思えます。
中が赤い漆塗りの汁椀に入ったアサリの味噌汁の画像です。

加熱した「牛乳」の味

しかし、同じようにカルシウムが入っていそうな牛乳を加熱したものを飲むと、

「硬くなった」ような味がして、おいしいとは思えないのです。

透明なガラスコップに白い牛乳を注いでいる画像

味の違いについて調査したこと

同じ「カルシウム」が入っている飲み物のはずなのに、前から不思議に思っておりました。

そこで、調べてみることにしました。

「貝」と牛乳のカルシウム成分の違い

調べてみると、貝殻の主成分の「カルシウム」は炭酸カルシウムというもので、

牛乳に含まれる「カルシウム」は、

カルシウムイオンとコロイド状リン酸カルシウムというものだそうです。

カルシウムは熱で変化しない

炭酸カルシウムは加熱すると溶けてうまみになるのかと思っておりましたら、

インターネットで調べるとそうでもないようです。

炭酸カルシウムは煮立てても水の中にイオン化して溶けることはなく、

貝の味噌汁がおいしいのは、貝の身のうま味が出ることによるものだとわかりました。

一方、牛乳の中に含まれているカルシウムも、熱で変化することはないということです。

「タンパク質の変性」による風味の変化

どうも牛乳の中のタンパク質が50度以上になると構造が換わり、

味や香りに変化を及ぼしている、というのが正解のようです。

私は、膜が張るほど温まった牛乳を飲むと、何かおかしな味を感じてしまいます。「硬いような」味がするのです。

たんぱく質が変性しない牛乳の温め方

そこで、この前温度設定をして50度以下に加熱した牛乳を飲んでみると、

拒絶反応が出ず、おかしな味を感じずに飲むことができました。

殺菌の為の過熱温度の違い

加熱していない状態の牛乳でも、どちらかといえば、低温殺菌牛乳の方が好みです。

やはり、普通の牛乳は一時的に120度台に加熱しているので、一部のタンパク質が編成しているためでしょう。

私は、日持ちがするロングライフ牛乳は飲んだことがないのでわかりませんが、

どの程度タンパク質が変性していて、味がどうなっているのか、

試してみたいような、怖いような気がします。

カルシウムの味の謎から調べていくと、かなりずれた結果がでましたが、

乳酸カルシウムの化学式を図式化した画像です。

乳酸カルシウムの化学式の画像

今回は、この調査で興味深い事実がいろいろとわかりました。

参考URL

貝殻のカルシウムの成分

https://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v24n2/v24n2_sasaki2.html

炭酸カルシウムの性質

https://calfine.co.jp/museum/character.html

牛乳のカルシウムの成分

https://www.j-milk.jp/findnew/chapter2/0407.html

  • 1
  • 0
  • 1

モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内