昔は貴重だったシイタケ
皆様は、シイタケとマツタケが並んでいたら、マツタケの方が食べたい、と思われるお方が大半なのではないでしょうか。
それは、今はマツタケが珍しくて入手困難なキノコだからという事情があるでしょう。
ところが、もっと昔は事情が違っておりまして、
マツタケはありふれたキノコで、シイタケの方が珍しくて美味しいキノコ、という位置づけだったのです。
昔、里山利用が盛んで、薪で炊事やお風呂沸かしをしていた頃は、マツタケの宿主である赤松林は整備されていて、マツタケが生えやすい条件がそろっておりました。そのため、マツタケはたくさん生えていて、しかも間違いようがない薫りがするため、安全で確実に食べられるキノコ、という位置づけでした。
シイタケは、山の中で走り回らないと見つけられないキノコだったのです。
シイタケの画像
今の時代、シイタケが貴重なキノコ、と言われてもあまりピンと来ないような気がしますが、昔は税金の対象だった時代すらあったようです。
人工栽培技術の確立までの困難
江戸時代に、原木栽培の技術が何とか確立したのですが、
そのあたりの歴史はまだ学者の方々が調べきれておらず、
どこの誰が完全に確立したのかは意見が分かれているようです。
しかし、江戸時代のシイタケ人工栽培技術はまだ不安定で、シイタケを栽培するほだ木に生えるかどうかは神頼み状態でした。
かなり後の時代に、森喜作というお方が、種駒というものを開発し、ほだ木に打ち込んで確実にシイタケをはやす技術が確立され、その後、菌床栽培も可能になって、やっとシイタケは身近なお品になった、という大変な歴史的背景があります。有難くシイタケを頂きたいものです。
ところが、昨今和食ばなれが進み、干しシイタケの需要が減っている、という事を嘆く話も、インターネットで調べていると出てまいりました。我が家ではそんな事はないのですが、いっその事、水戻しした干しシイタケを真空パックにして販売したら、おいしさが分かってもらえるのではないかな、と思いながら読んでおりました。
一時期、ふかひれやアワビも水戻しで販売されていたのを見たことがあるので、そんな風に販売してみたらいいのではなかと思います。
シイタケによく似た毒キノコ
それと、筆者からの注意ですが、山でシイタケに似たキノコを見つけても、とらないほうが無難です。シイタケによく似た毒キノコは数種類あり、しかも、かなり苦しむタイプの毒キノコも含まれているからです。山菜取り、登山の季節がもうすぐですが、くれぐれもお気をつけてください。
シイタケについて