イタリア全土でお店に並ぶクリスマス菓子
皆様は、イタリアのクリスマス菓子というと、真っ先に「パネトーネ」を思い浮かべられると思います。
しかし、イタリアはもともと小規模国家が割と近代に統一した「イタリア」という国になったので、地域ごとにいろいろなクリスマス菓子があります。
パネトーネの画像
しかし今、イタリアのクリスマス菓子といえばパネトーネになったのは、20世紀に入ってからなのです。
プロモーション戦略で広まった「パネトーネ」
「モッタ」という今では大企業になった有名な製菓会社の創業者がオリジナルのレシピと紙の型で焼き上げる方式を開発し、そのプロモーションが成功した為、今、イタリア全土でパネトーネがスーパーでも菓子店でもクリスマスの時期に並べられているという状況になっております。
複数のパネトーネに関する伝説
もともとは、「パネトーネ」は、ミラノ地域のクリスマス菓子で、その地を納めていたスフォルツァ家の厨房の下働きだったトニーという少年が作ったパンなので、「トニーのパン」
パネトーネと呼ばれるようになった、とか、パン職人の娘に恋をした鷹匠が父親の弟子になって、人気の出たパンを作ったので娘と結婚できた、というような伝説が複数あります。
イタリア家庭のパネトーネ事情
パネトーネの中に入れるレーズンは裕福、オレンジピールは愛、レモンピールは永遠の象徴とされていて、縁起が良いことになっているので、クリスマスの時期はプレゼントとしてあちこちの家で贈りあっているそうです。
そこで、1つの家に10個近くのパネトーネが集まったりすることも珍しくなく、皆様がフレンチトースト、パンプディング、ラスク等にして消費しているようですが、飽きてきた、というご意見もあり、パンドーロに人気がシフトしているとも聞いた事があります。
どちらにしろ、パネトーネは当分イタリアのクリスマス菓子として作られ続けるでしょう。イタリアの方々は、食に関しては結構保守的なところがありますし、職人の腕の見せ所でもあるからです。パネトーネに使う酵母は扱いがとても難しく、フルーツのたくさん入った重い生地をきれいに膨らませるのは、かなり難しいのです。その分、2週間ほども日持ちのするパンに仕上がるので、今年もイタリアの方々は、飽きたと言いつつもゆっくり消費し、きっと来年もパネトーネの山が各家庭にできるものと推測されます。
パネトーネについて