マヤ文明が衰退した理由とは?戦争や干ばつなど有力な説を紹介!

マヤ文明のティカル遺跡

こんにちは、きんいろ旅程です。
みなさんは古代マヤ文明についてご存じですか?

マヤ文明はメソアメリカのユカタン半島やグアテマラなどに紀元前2000年頃から1500年代まで続いた文明で、マヤ文字と呼ばれる高度な文字や暦、ピラミッド型の神殿などの建築技術を発達させたことで有名な古代文明です。

しかし、9世紀頃からマヤ低地南部の多くの都市が次々と放棄され、文明が衰退していきました。その原因については、さまざまな説がありますが、いまだ確定的なものはありません。

今回は、そんな謎に満ちたマヤ文明の衰退の理由について迫ってみたいと思います。どうぞ最後までお付き合いくださいね。

ではさっそく行ってみましょう!

マヤ文明の歴史

まず、マヤ文明の歴史について見てみましょう。マヤ文明は一般的に

  • 先古典期(紀元前2000年〜250年)
  • 古典期(250年〜900年)
  • 後古典期(900年〜1500年)

の3つの時期に分けられます。

先古典期

この時期には農業や陶器などが発達し、最初の集落や祭祀センターが形成されました。紀元前900年ごろからはエル・ミラドールナクベなどの大規模な都市が建設されます。また、アメリカ大陸の中でも最初期に誕生したオルメカ文明からの影響を受けて文字や暦などが発展し始めました。

古典期

この時期にはマヤ文明が最盛期を迎え、多くの都市国家が繁栄しました。ティカルカラクムルなどの都市が覇権を争い、石碑や絵文書に王や神々の事績や暦などが記録されたのもこの頃です。また、テオティワカントルテカなどのメキシコ中央高原の文明からも影響を受けました。

古典期末の9世紀頃から、突如マヤ低地南部の都市が放棄されて人口が大きく減少し、石碑や絵文書の製作も途絶えました。これを古典期崩壊と呼び、一般的にマヤ文明の衰退と呼ばれる事象はこのことを表します。この原因についてはまだよくわかっていません。

後古典期

この時期にはマヤ低地南部の都市が衰退する一方で、マヤ低地北部や高地の都市が繁栄しました。代表的なものではチチェン・イッツァマヤパンなどの都市が交易や同盟を通じて勢力を拡大しましたが、16世紀にスペイン人の侵略によって滅亡しました。

マヤ文明が衰退した原因は一つではない?

チチェン・イツァ遺跡のレリーフ

では、なぜマヤ文明は衰退したのでしょうか?その原因については、さまざまな説がありますが、ここでは主なものを紹介します。

外敵侵入説

メキシコ中央高原のテオティワカンやトルテカなどの他の文明から侵入者があって、マヤ文明を圧迫したという説です。378年ごろにはテオティワカンの一部勢力がマヤ低地南部に影響力を持っていたことが碑文からわかっています。

しかし、これは古典期崩壊よりも前であり、また全ての都市が外敵によって放棄されたわけではありません。

干ばつ説

気候変動によって長期的な干ばつが起こり、食糧や水の不足によって社会が崩壊したという説です。湖底の堆積物や樹木の年輪などから、この時期に干ばつが頻発したことが示唆されています。

考古学的資料の裏付けがあることから、近年有力視されている説の一つですが、干ばつだけでは衰退を説明できないという意見も。例えば、マヤ人は干ばつに対応するために貯水池や灌漑などの技術を発達させていたという事実があります。

内乱説

マヤ文明は多数の都市国家に分かれており、しばしば争いが起こっていました。そうしたなかで食糧や資源の枯渇によって戦争が激化し、都市が破壊されたり人口が減少したりしたという説。石碑や土器などから、この時期に激しい戦闘行為が起きていたことがわかっています。

しかし、戦争は古典期の繁栄期にも起こっていたことや、戦争だけでは社会の崩壊を説明できないという意見も根強いです。

これらの説は相互に関連している可能性も考えなければいけません。

例えば、干ばつによって食糧難に陥ったマヤ文明では、食糧をめぐって都市間の争いが激化した。それによって人口の減少や他地域への移動が起きたということも考えられます。また、他にも疫病や社会的不平等、宗教的信仰の変化なども衰退の要因として考えなければいけないでしょう。

マヤ文明が衰退した理由は一つではなく、複数の要因が重なって起きたものである可能性も高いのです。

おわりに

チチェン・イツァ遺跡

今回はマヤ文明が衰退した理由についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?マヤ文明の衰退は複雑で多面的な問題であり、今後もさらなる研究が必要だということがお分かりいただけたかと思います。

マヤ文明は一時衰退したものの、完全に消滅したわけではありません。現在もマヤ人の子孫が存在し、その言語や文化を受け継いでいます。また、マヤ文字や暦、チョコレートなどの発明品は今日の世界にもさまざまな影響を与えていますね。

マヤ文明は、今もなお私たちを魅了してやまない古代文明なのです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました
ではまた次回!

☆参考サイト
マヤ文明の衰退は気候変動のせい?ー日経BP
マヤ文明の衰退を早めた干ばつーNature ダイジェスト
狙いは「3000年分の泥」 マヤ文明衰退の謎に迫る大冒険!ー現代ビジネス
マヤ文明ーWikipedia

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きんいろ旅程

きんいろ旅程(りょてい)と申します。おもに歴史や競馬などをテーマに、幅広く記事を執筆中。「どんな人にも読みやすい記事を書く」ことをモットーに、日々WebライティングやSEO、Wordpressなどを勉強中です。名前の由来は競走馬「ステイゴールド」から。Twitter→@kinniro_ryotei アイコン:畦ノつぶて様 @azeno_tsubute22

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