
登場人物
「私」ことコロレ
きぬよさん₍三毛猫のお嬢さん₎
──当時私が一人暮らしをして、実家に帰省した時の話です。
仙台でふらっと立ち寄ったペットショップで買った猫用の羽根つきのおもちゃをプレゼントしました。
それなりに遊んでくれて気に入ってくれたので良かったと思い、休憩を兼ねて小説を読んでいた時に事件は起きました。
小説を読み終わり、何気なく横を向いたとき、とても戦慄したのを覚えています。
羽のおもちゃがバラバラになり、彼女が一心不乱に羽のおもちゃをむしり取っていたのです。
幸い細かい部品など飲み込んだ形跡はなく、安心したのですが一日でおもちゃを破壊されるとは思いませんでした。
おもちゃを回収したときに、
「ウー(これ私のだから取らないで‼₎」
と、ものすごく抗議するように鳴かれました。
普段の温厚な姿とは違い、野性に目覚めた瞬間を垣間見てしまったとその時は思いました。
たまにアマゾネス化ゲフンゲフン……いえ、気が強いとは思っていましたが、きぬよさんの猫パンチが炸裂した現場を目撃した時、やっぱり三毛猫は気が強いんじゃないかと改めて思いました。
──人間も猫も静かすぎると感じた場合は、気を付けたほうがいいのかもしれません。
なお、バラバラになった羽のおもちゃは接着剤を使って直したものの、ゴミ箱へ直行することとなりました。