表紙(村田雄介氏)目当てで集英社文庫を購入。角川文庫版既読。村田氏の挿絵は少し大人っぽく描かれているが、本編挿絵のアリスは小学生相当ではないだろうか(だからか、表紙だけ見た人は別の話を想像してしまう気がする)
となると、初出時は児童文学ということになる。抄訳でも「女の子が異世界の人外生物に翻弄される話」で通じるプロットは見事だが、やはり不条理さや言葉遊びは完訳だろう。それにしても、初期に挿絵を描いた方のセンスはいいな。ファンタジーものにエプロンドレスとは。
様々なフィクションのモチーフに転用されている名作…というよりかは迷作かもしれない。ストーリー?条理?知るか、みたいな内容なのだ。
しかしそれがつまらないわけではなく、テンポよく進行し、言葉遊びが多用される楽しさがあり、シェイクスピアに通じる要素があるかと考える。
本訳ではアリスの口調にこだわったそうだが、たしかにこの訳のアリスは若干現代人っぽい口調だ。好き嫌いが分かれる人もいそうというか、私は角川版の方が当時っぽくて好きかな。
読み直しても変わらない一番衝撃的なシーンは、アリスが巨大化し部屋を壊すシーンだ。何度見てもいたいげな(?)少女にやらせることではない…。キャロル氏が「ガリバー旅行記」を読んでいたか少し気になる。
後書きでキャロル氏は少女愛者と書かれていて、不条理な点で少しナボコフの「ロリータ」を思い出した。
