こんにちは!
今回は、私の大好きだったサラブレッドのお話しです。
どうぞ、最後までお付き合いください。
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▶「愛されたHERO」ステイゴールド
「愛されたHERO」
いま、こう呼ばれている一頭のサラブレッドがいます。
彼の名前は、ステイゴールド (Stay Gold)。Wikipedia
今から20年ほど前に活躍していたサラブレッドの競走馬です。
負けても負けても、レースに挑みつづけました。
個性的なその姿は多くのファンから共感を得たのです。
かくいう私も彼に夢中だったひとり。
そして今の私ががんばれるのは、彼のおかげです。
彼から人生の宝物をもらいました。
これは一頭のサラブレッドと、私をつなぐお話です。
▶ステイゴールドとの出会い
大学生時代、私は友人の影響で競馬が大好きになりました。
その時は東京に住んでいましたので、週末はよくその友人と東京競馬場に足を運んでいましたね。
そうした中で一頭のサラブレッドと出会いました。
彼こそがステイゴールドです。
当時全盛期をほこっていたサンデーサイレンスの産駒。
黒い小柄なオス馬でした。
彼は力こそあるものの、なかなか勝ち切るまでは行かず、いつもGⅠで2、3着を繰り返すような馬でした。
その結果、ついたあだ名が「シルバーコレクター」。
名前はゴールドなのに皮肉なものです。
とうとう、最後まで国内のGⅠを勝つことはできませんでした。
それでも熱烈なファンは多く、ふしぎな人気のある馬だったと記憶しています。
いつしか自分も、そんなステイゴールドに魅了されていました。
▶ラストラン、香港ヴァーズの大逆転!
2001年末、そんなステイゴールドのラストランに選ばれたのは、香港の国際GⅠ「香港ヴァーズ」でした。
香港では馬名は全て漢字で表記される慣例です。
ステイゴールドにつけられた名前は「黄金旅程」(おうごんりょてい)。
これが、後々まで語り継がれることになる名前になるとは、誰も思っていませんでした。
レースでは、ステイは中団後方にポジションを取りました。
途中からドバイの刺客エクラールがロングスパートして他馬を引き離します。
直線に入る手前で、ステイゴールドも追い上げを開始しました。
しかし最後の200mでもエクラールとの差は4馬身以上。
普通ならば届くはずのない差です。
しかもステイは内にもたれてしまっていました。
これでは騎手はまともに追えません。
「最後も2着で終わるのか。まあステイらしいかな…」
誰もがそう思った、その時でした。
まるで羽が生えたかのような猛烈な末脚をステイゴールドが繰り出したのです。
届かないはずの絶望的な差。
彼はそこからエクラールを見事に差し切って、ラストランを勝利で飾りました。
絶望的な状況からの大逆転劇、しかもラストランでのGⅠ初制覇。
その勝利は多くの競馬ファンを驚かせ、感動させました。
私も映像を見て、大きな歓声をあげたことを思い出します。
▶京都競馬場の引退式へ
翌年の1月、私は友人とともに、京都へ向かう夜行列車に乗っていました。
ステイゴールドの引退式を見るためです。
当初引退式の予定はありませんでしたが、ファンからの要望で、急きょ式が行われることになったのです。
彼の人気の高さがわかるエピソードだと思います。
実際に京都競馬場で見た彼は、今からでもレースに出られそうなオーラを漂わせていました。
大歓声に迎えられてステイゴールドが観衆の前にあらわします。
私は手が痛くなるほど拍手をしながら、ぽろぽろと涙が止まりませんでした。
嬉しくもあり、寂しくもある涙でした。
「これでステイとお別れなんだ。」
そう思うと自然に涙が出てきたのです。
20年以上たった今でも、まるで昨日のことのように引退式のシーンが目に焼き付いています。
▶「青春」をありがとう
今ならわかります。
ステイゴールドは、私にとってかけがえのない「青春」だったのです。
「きんいろ旅程」というペンネームは彼の香港名からとらせていただきました。
私も彼のように、いつか大輪の花を咲かせたいという思いを抱いて、日々がんばっています。
私に「青春」をくれてありがとう、ステイゴールド。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ステイゴールドは2015年に亡くなりました。
でも、私の心の中に生き続けています。
私もいつの日か、夢を叶えるためにがんばります!
おわり