現代日本人には想像困難な「塩飢饉」
塩飢饉、と聞いても、減塩を推進している現代日本では、想像もつかないと思います。

食塩の画像
しかし、「食塩」というのは生命に直結するもので、昔は政府管轄になっておりましたし、日本のような海洋国家でさえ、海に面していない地域では、昔は「塩飢饉」が発生しておりました。
欠乏すると大変な事になる「塩」
実際、人間は絶食しても1週間くらいは生きていられますが、塩分が体内からまったく無くなれば、2日も生きていられない、という大変な事態になります。お腹いっぱいに食べていても、こうなると亡くなってしまいます。
戦国時代、武田氏の領地だった甲斐の国では、敵方の武将によって塩の供給が止められ、塩飢饉状態になりました。
その時に、最大の敵と言っていい上杉家の当主だった上杉謙信が、甲斐の国に塩を送って助けたのが、「敵に塩を送る」という故事成語の成り立ちということになります。やっていいことと悪いことがある、と上杉謙信氏は考えたようです。
犯罪者なのに英雄?
昔の中国でも、塩は生命の要諦として、国家が管理しておりました。しかし、かなり高値で売られている時代もあり、庶民は困っていたようです。
そこで、「塩の密売人」という職業が出来て、違法行為をしている人たちではあったのですが、英雄視されていました。一時皇帝に即位した黄巣という人も、この「塩の密売人」出身でした。
また、英国統治だった時代のインドでも、英国政府が塩を握っていたので、ガンジーが塩を作る抗議運動をしたというエピソードもあります。
今は、いろいろな塩の選択肢があるのが現代日本という国ですが、この事実を頭の片隅に入れてありがたくいただきたいものです。
塩の重要性について
