「現場、前線、執務室…俺たちの”現実”はどこにある?」
朧げな気持ちのまま帯のコピーに惹かれその本を手に取り、まず目次から楽しもうというところで目が覚めた。
どれほど手をつけてない案件を気にしていたのか?
みのりは先程まで見ていた夢の中で行く当てもなく彷徨っていた事を思い出し憂鬱な気分を持て余していた。
寝室の中に入り込む日差しは明らかに昼過ぎのモノでその明るさが目に染みる。
…もはや時計を確認したくもない時刻だろうし遅刻は確定だな。
とりあえずリカバリーできる要素から確認していくか。
みのりは現状確認をするべく今日の予定を俯瞰していく。
まずは必修の講義と事案依頼の顔合わせ、それに提出期限ギリギリのレポート提出。
斜め読みしただけで気分が重くなっていくギッチリな予定を見ると全部放り投げて二度寝したくなる。
誰がこの予定を組んだのだ?
他でもない私自身だ…
どこにも文句をつけるところがないセルフツッコミをするが、気分は滅入るだけであった。
それでも今日中に起きた自分を褒めてあげねばな。
みのりは観念してベッドから起き上がると、今日は朝食を用意してくれているルームメイトが不在な事を思い出す。
そうか…彼女は昨晩から所属している研究室に泊まり込みだったな。
いつもにこやかに寝坊を注意してくれる彼女に最近は頼りっきりでいたみのりは一日の最初を久しぶりに自分で担うのを新鮮に感じていた。
こんなに静かな空間だったんだな。
少しばかり感傷に浸っているとリビングに置きっぱなしのデバイスからけたたましい音量で呼び出し音が響いた。
おっと…流石に時間切れか。
デバイスに溜まりまくった着信履歴を見て相手側の慌てた顔、起こっているだろう状況を想像しまず相手方への言い訳を考えておこうとみのりは思考をまとめる。
みのりは自分が原因なはずの不都合全般について一旦忘れることにし、出かける準備に取り掛かり始めた。
