かつての蒼い日記帳40-平然と迎える未来、当然のごとき到達-

ん…?件のお嬢様が担当のプランの進捗がよろしくない?

なぜこちらにその問い合わせが来てるのかわからんな。そちらの関係者へ問い合わせてくれ。

ああそのセクションの彼女に振ればいいだろう…そういう事で頼む。

彼は慣れた手管で問題の対処を回避していた。

その様子は丸投げという言葉が裸足で逃げ出す程のモノだったが、誰もその対応に異論を唱えない。

それは普段の実績と信頼のなせる業だと彼は断言するだろう。

かつて一週間ほど音信不通になって帰ってきたとき南国の風を纏っていた時ですら誰も文句が言えなかった。

関係者ならいつもお馴染みの光景である。

そんな彼が選んだビジネスパートナーが他でもない私だ。

何でも世の中の現実になびかない君が良いとかいう理由でヘッドハンティングされたんだったか。

美咲はいつもの今や日常となった現実を振り回す日々を満喫していた。

彼とコンビを組んでもう半年になる。

日本国内の異能者事案の不都合要因を現場で対処するのが私達の業務だ。

グレーな案件から完全な犯罪事案対処までを担う今の刺激的な日々には満足しているが、それでもルーティンワークになる部分は出てくる。

たまには持ちうる能力や手管をフルに活用した難題を解決したい。

美咲はその手に持ったカルーアミルク「風」のカクテルを煽り、まだ見ぬ難題に心を馳せる。

いつものお気に入りの都心ホテルのプライベートラウンジで過ごすこの時間をより味わうためには刺激的な現実も必要だ。

…ということで見つけた面白そうな情報。

何でも八王子の方で実態不明の「異界」が展開されていることが確認されたとか。

それも魔術的テリトリーでは無いタイプのモノらしくその規模は拡大し都心に向かって広がっているとの事だ。

そこでは物理法則や時間の流れだとかが完全にコントロールされ、隔絶した世界が構築されているらしい。

今得られる情報では「世界の摂理」がどうとかいう不確定なモノしかわからないようだ。

ふむ…現実そのものを自在に構築できる異能者という事か?

美咲はデバイスで共有された情報を俯瞰してイメージを纏めていく。

国内の異能者でこれほどの規模の任意空間を展開できる者は限られるな…組織的な動きも当然あるだろう。

これは面白いことになってきた。

私の異能も「任意の空間のルールを書き換える」という枠組みのモノ…久々に心沸き立つ戦いができるかもしれないな。

美咲はまだ見ぬ「同族」との邂逅を夢想して、一気にグラスの中身を飲み干した。

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しなちー

アニメやライトノベルを1990年代から没頭している古参オタクです。 様々な作品から感じた事や個人的創作論、私なりの世界観を舞台としたショートストーリーなどを発信していきたいと思います! よろしくお願いします!

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