「小説」の記事一覧
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零感霊能探偵は妖狐と共に 2
三人は閑静な住宅街の一角にある、どこか陰鬱な感じのする一軒家を見上げた。そして互いに顔を見合わせると、不安そうな視線...
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夏の日の淡い香り その2
僕は正直困惑していた。お兄さん役って何なんだろうと。 このまま無視をする手もあったのだが、なんだかその子の雰囲気...
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零感霊能探偵は妖狐と共に
弥永探偵事務所と書かれたビルの一室で、局長である弥永誠は椅子に深く腰掛け、ぼうっと天井を見つめていた。ひどく退屈そう...
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夏の日の淡い香り その1
あれはとても暑い夏の日の出来事だった。 街中を行き交う人々は日傘を差したり、ハンカチで額を拭ったり、その暑さを凌...
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k氏、婚活する
k氏、30代、社会福祉施設勤務、中肉中背、いたって温厚な性格。 彼は悩んでいた。 周囲の人から ...
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終わった世界を君と行く 終
今夜中あんな感じだろうか、星が見える時間になると、いつも夜空を見上げてあぁして棒立ちになっている。呟く声は、私の記憶...
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終わった世界を君と行く 12
日の光で目を覚ます、あれから数回交代で眠った後、漸く日が昇ったようだ。枯れ枝もマッチも残り少ない、先に進むか戻るかな...
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終わった世界を君と行く 11
洞穴から出ると少しずつ日が昇ってきている、辺り一面砂だらけですっかり空気は冷え切っていた。いくら辺りを見回しても砂ば...
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終わった世界を君と行く 10
誰かが言い争う声が聞こえる、体が金縛りにでもあったかのように動かない。指先一つ動かせない、瞼すら開けない今の私には、...
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終わった世界を君と行く 9
ギラギラと照り付ける日差しで目を覚ました、すぐそばに寝ていたはずのイブの姿が見当たらない。まさか、もう? 不安に思い...
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不思議図書館・追「0:魔術師と女の子」
ーもう、何年前だっただろう。 年数は忘れても、あの日の情景はハッキリと思い出せる。 「また上空なのーーっ!...
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半夏生(はんげしょう)3
「東京本社より、本日付けで転勤してきた京本です。出張で来た際はお世話になりました。今度は仙台に骨を埋めるつもり...